現在地の数値化の必要性
健康の価値を正しく伝えていくには何が必要なのでしょうか?
ただ健康になるための豆知識を伝えたり、いきなりサプリメントを勧めてしまっては、逆に拒絶されてしまったり、結局何も行動してくれないといったことが起こってしまいがちです。
正しく健康の価値を伝えるには正しいプロセスが必要なのです。ヘルスケアにおいての重要なプロセスは「①(自身の状態を)知る ②(対処法が)わかる ③行動する ④継続する」です。そして、多くの場合は③行動するから始めようとしてしまうことで失敗しているのです。
つまり、正しく健康の価値を伝えていくにはまず「自身の状態を知る」ということから始めるのが重要なのです。
「あなたは今こんな状態だから、これが必要なんですよ。」
「あなたは今こんな状態だから、このまま放置すると危険なんですよ。」
といった落とし込みが、納得感に繋がり、はじめて自分ごととして行動変容につながるのです。
医療と未病の領域の違いについて
では、「自身の状態を知る」にはどのような方法があるのでしょうか?
一般的に思い浮かぶのは「健康診断」だと思います。しかし、実は健康診断の目的は「健康の数値化」ではなく「病気の数値化」なのです。つまり、健康診断は病気の早期発見を目指し、少なくとも現時点で病気なのかどうかが確認できます。これはいわゆる医療領域になります。医療は赤信号をできるだけ早期に発見し治療していくことが重要です。そして、医療の進歩は平均寿命の延伸に寄与します。
一方で、健康寿命の延伸に寄与するのが未病領域です。
未病とは、健康と病気の間の状態でありその中でも未病Ⅰという状態は「検査結果には異常はないが、自覚症状がある状態」と未病学会で定義されています。
一般的には「健康か病気か」といった2分論で考えられることが多いですが、実際には病気になるまでに、たくさんの自覚症状が積み重なり、グラデーションのように病気へとじわじわと移行していくのです。このグラデーションの状態で数値化し、病気へ移行しないように意識と行動を変容していくことがこれからの時代に求められるヘルスケア領域なのです。
未病の数値化の難しさと重要性
健康と病気の間の状態である未病の数値化にはどのようなハードルがあるのでしょうか?
未病の数値化の中でも「(病院での)検査結果に異常はないが、自覚症状がある状態である」未病Ⅰの数値化は特に難しい領域とされています。病院においては、未病Ⅰは対処できないので放置されてしまっているのが現状で、対象者は自覚症状の原因がわからず苦しみ続けているのです。
未病Ⅰの大きなハードルは、病院の検査では異常はでないので臨床結果との整合性の証明が非常に困難であるという点です。つまり、エビデンスの確立が難しいということです。
また未病段階においては、検査の実施ハードルが高いという点も挙げられます。実際に問題が起きないと対処しようとしないのが人間の性です。病気と診断されていない未病段階では高額な検査や、血液や遺伝子の採取などの手間は大きな障害となります。つまり、実施ハードルをとにかく下げるという点も未病の数値化において欠かせない要素の1つになるのです。
WELL BE CHECK®️の目的と可能性について
上記のように、未病Ⅰの数値化におけるハードルは大きく2つあります。
①病院における通常の検査では見つけらないということ
②実施ハードルを下げないとそもそも実施してもらえないということ
この2点をクリアするために開発したのがWELL BE CHECK®︎になります。WELL BE CHECKの目的は、病気の早期発見ではなく、未病段階において自身の健康課題に気づき、行動変容へ促していくということです。よって、医療機器認定を目指すものではありません。医療とは異なる新たな枠組みでのチェックという立場です。
また実施無料かつLINEアプリ内で完結という簡素化にもこだわって開発いたしました。WELL BE CHECKは健康診断を代替するものではなく(病気の診断を行うものではなく)、場合によっては医療機関にブリッジするなど、本チェックを入り口に健康無関心層まで取り込んでいくことを目指しているのです。
行動変容ステージに基づいた正しいプロモーション
健康カウンセリングをしていく中で、同じ内容でも納得感が人によって異なります。それは、なぜなのでしょうか?
一般的にヘルスプロモーションにおいて、5つの行動変容ステージがあると考えられています。
①無関心期:自身の健康課題に気づいていない状態
②関心期:健康課題には気づいているが、対処法がわからない状態
③準備期:対処法も理解しているが、実際には行動していない状態
④実行期:健康行動を行なっているが、結果に満足していない状態
⑤維持期:健康行動をしていて、結果にも満足している状態
大切なのは、ターゲットの生活者が現時点でどこのステージにいるのかをきちんと把握しておくことになります。当然このステージによって訴求軸が変わってくるからです。ステージに合わせた正しいプロモーションをかけていくことでステージを引き上げ、新たなヘルスケア市場を創出していくことに繋がります。
WELL BE CHECKでは、行動変容ステージに関しても実施者のデータを収集することが可能です。よって、ステージ合わせた個別的な訴求が可能になり、潜在したヘルスケアニーズを顕在化させることにつながるのです。
未病ビックデータの活用について
WELL BE CHECKで取得した未病ビックデータをセグメントごと(地域別、年齢別、性別別、行動変容ステージ別など)に分析しレポートを作成することで、地域や職域、学域など様々な領域でのデータ活用が可能になります。
実際に地域では茨城県かすみがうら市との住民の健康状態把握に向けた取り組みや、職域では健康経営における新たな指標づくりなど活用の幅が広がっております。